小児病棟
「先生、できました」

クラス委員の亜矢子が一番最初にテストを終え、先生に持っていく。それからも女子が次々とプリントを書き終え先生に持っていった。

「はい、男子は? まだ?」

四人の男子は未だ誰一人プリントを仕上げることができずにいる。

「男子! 早くしないと! 次は体育なんだからね!」

川端先生の檄が飛ぶ。

「加藤、こんなのもわかんないの?」

亜矢子が隣の席から正哉に言う。

「うるさい! 気が散る!」

正哉は、鉛筆をクルクル回しながら必死にプリントと向き合っていた。
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