小児病棟
養護学校とはいえ、喘息という病気は発作さえおきなければ、普通の子供となんらかわらない。もちろん、授業も他の学校となんらかわりはない。体育だって普通にやるのだ。

「今日は何やんだろうな」

グランドに向かう廊下で、悟がワクワクした口調で言った。

正哉も悟も、スポーツは大好きであった。以前、自宅で生活していた時分は、発作を恐れ満足に運動などできなかった。しかし、この入院生活で、それは百八十度変わったのであった。

「よーし! 今日は、キックベースしよう」

グランドに集合した五年生に、体育の峯岸先生が言った。

「やったー!」

子供たちは、元気にグランドを駆け回っていた。
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