小児病棟
戦友
正哉と裕二が養護学校から帰ると、ナースセンターの前で数人の看護婦さんが話をしていた。

「どうしたのー?」

元気よくたずねる正哉に、看護婦さんが深刻な顔をして言った。

「……塩原君がね……救急車で運ばれたんだって……」


「え? 塩原君が?……」

正哉は、そう念を押したっきり、黙りこんだ。

「ねえ、塩原君って?」

そんな正哉を、横で見ていた裕二が話しかけた。
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