小児病棟
「何それ? 何見てんの?」

「俺も見たい」

「俺も見せて」

と、集まった子供たちは、次々に雑誌を取り合う。

「じゃあ、みんなで見ようぜ」

塩原君は、自分のベッドに座り、その周りをみんなに囲ませると、正哉のほうを向いた。

「正哉、ちと廊下見てこいよ、看護婦さんいないかどうか……」


かくして、男六人によるヌード写真鑑賞会は、消灯時間がくるまで延々と続いたのだった。
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