小児病棟
「ねえ……本当に知らない?」
そう、上目使いでたずねる正哉。
「うるせーな! 知らねえっつってんだろ?」
塩原君は、そんな正哉を、うっとおしがるように足蹴にした。
去年の夏、正哉にある事件が起きた。とても大切にしていたミニカーが、学校から帰ってくると、どこにも見当たらなかったのである。
その日、病室には体調を崩し中学校を休んだ塩原君が朝からずっといただけだった。当然、何か知っているだろうと、正哉は塩原君にたずねるのだが、塩原君は知らないの一点張りだった。
そう、上目使いでたずねる正哉。
「うるせーな! 知らねえっつってんだろ?」
塩原君は、そんな正哉を、うっとおしがるように足蹴にした。
去年の夏、正哉にある事件が起きた。とても大切にしていたミニカーが、学校から帰ってくると、どこにも見当たらなかったのである。
その日、病室には体調を崩し中学校を休んだ塩原君が朝からずっといただけだった。当然、何か知っているだろうと、正哉は塩原君にたずねるのだが、塩原君は知らないの一点張りだった。