小児病棟

翌朝のことである。正哉はふと、足に何かが触る感触で目を覚ました。布団をめくってみると、そこにはあの無くなったミニカーの姿があった。

「あ……あった……」　

結局、正哉がきちんと探したなかったことになり、事件は一件落着した。しかし、正哉は見た。夜中、朦朧としながらふと目を覚ますと、塩原君が自分のベッドの横に立っていたのを……それが果たして夢か幻か、はたまた現実だったのかは正哉にもわからない。今となっては、知る由もないのである。