小児病棟
「……なあ、正哉?」

「ん?」

「俺たちの病気って……怖いな……死んじゃうこと……あるんだな……」

「うん……そうだな……」

二人は、あらためて自分たちの病気の恐ろしさを実感していた。二人だけではない、その日はおそらく病棟に入院している全員が、そう感じたことだろう。

二人は、それっきり黙って外を見ていた。


窓の外は、いつの間にか雨が降っていた。それはまるで塩原君の涙雨のように、一晩中降り続いたのだった。
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