小児病棟
正哉は病院から養護学校へと繋がっている廊下を歩きながら、さっきの映画のシーンを記憶の中で反芻していた。
「正哉、さっきの、脳が出血するやつ、なんか怖かったな」
悟がぼそっとつぶやいた。
正哉は、前を向いたまま言った。
「でもさあ、人間って、勝手だよね。マウスを殺して殺して、そんで自分たちが助かる薬を作ってるんだから……」
「まあな。でも、そのおかげで俺たちも助かってんじゃん。俺らが直れば、かあちゃん達だって喜ぶんだし」
正哉はなるほどと思った。悟の言う事に珍しく心から納得した。
「そっか、そうだね」
二人は長い廊下を歩いていく。
窓から差し込むオレンジ色の西日が、二人の影を一足早く校舎へといざなっていた。
「正哉、さっきの、脳が出血するやつ、なんか怖かったな」
悟がぼそっとつぶやいた。
正哉は、前を向いたまま言った。
「でもさあ、人間って、勝手だよね。マウスを殺して殺して、そんで自分たちが助かる薬を作ってるんだから……」
「まあな。でも、そのおかげで俺たちも助かってんじゃん。俺らが直れば、かあちゃん達だって喜ぶんだし」
正哉はなるほどと思った。悟の言う事に珍しく心から納得した。
「そっか、そうだね」
二人は長い廊下を歩いていく。
窓から差し込むオレンジ色の西日が、二人の影を一足早く校舎へといざなっていた。