小児病棟
「ね、つとむ、何年生?」

正哉は、少し膝を曲げ、目線を合わせるようにしてつとむに問いかけた。

「五年生……」

「え? 五年? じゃ、俺と同じじゃん!」

つとむの言葉に裕二が目を輝かせた。そんな裕二を見て、つとむの表情も若干ではあるがほぐれたように見えた。

「今日から、ここに入院するの?」

「……うん」

一瞬、表情に明るさを浮かべたものの、入院と言う言葉につとむは、再び伏せ目がちになった。

そんなつとむを見て正哉は、自分がはじめて入院した日の事を思い出した。
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