小児病棟
――俺も、最初は不安だったなあ……

正哉が入院したのは、四年生になった春のことである。よく晴れた暖かい日だったが、手足はとても冷たかったことを覚えている。不安で不安で、母親が帰ったときは号泣して階段まで追いかけた。つとむだって、きっと同じ思いに違いない。
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