小児病棟
「はあ……まだ水曜か……」
正哉は軽くため息交じりで、ゆっくりとベッドから降りてスリッパを履いた。
冷たいビニール製のスリッパに足を通し、窓の外を見ながらパジャマの上を脱ぐ。
「さむ……」
正哉はガリガリの体を震わせ、血の気のない指に息を吹きかけた。
外を見ると、世界は全体的に青みがかっていて、なにかひんやりしている感じだ。
隣にある病棟は、中ほどにあるナースセンター以外の窓に電気はついてなく、まだ患者はみな寝ている雰囲気だ。しかしこの病棟ではそうもいかない。ここは全員小中学生、平日は普通に学校もある。
病棟では毎日、六時になるとみな起床してすぐさまナースセンターの前に集合する。そして男子は上半身裸、女子は薄いシャツ一枚になり、全員で乾布摩擦を行なう。まず皮膚から鍛え病魔に打ち勝つというわけだ。
「……行くか……」
正哉はタオルを手に取ると、スリッパを引きずりながら、重そうな足取りで病室を出て行った。
正哉は軽くため息交じりで、ゆっくりとベッドから降りてスリッパを履いた。
冷たいビニール製のスリッパに足を通し、窓の外を見ながらパジャマの上を脱ぐ。
「さむ……」
正哉はガリガリの体を震わせ、血の気のない指に息を吹きかけた。
外を見ると、世界は全体的に青みがかっていて、なにかひんやりしている感じだ。
隣にある病棟は、中ほどにあるナースセンター以外の窓に電気はついてなく、まだ患者はみな寝ている雰囲気だ。しかしこの病棟ではそうもいかない。ここは全員小中学生、平日は普通に学校もある。
病棟では毎日、六時になるとみな起床してすぐさまナースセンターの前に集合する。そして男子は上半身裸、女子は薄いシャツ一枚になり、全員で乾布摩擦を行なう。まず皮膚から鍛え病魔に打ち勝つというわけだ。
「……行くか……」
正哉はタオルを手に取ると、スリッパを引きずりながら、重そうな足取りで病室を出て行った。