小児病棟
そのあとは、各自部屋に帰り、勉強道具を持って部屋ごとに集まる。そして全員揃ったところで、みんな仲良く登校していくのである。

病棟と養護学校とは、隣の病棟をはさんで同じ敷地内にあり、直線距離にすると二百メートルほど、廊下で繋がっている。

しかし子供たちは廊下ではなく、あえて敷地の外を回って約一キロ近い道のりを歩いて登校する。歩く事もまた治療の一環なのだ。唯一、発作を起こしていたりして歩く事が困難な場合のみ、廊下での登校が許されている。
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