小児病棟
正哉は階段をすべて降り切り、悟と裕二が進んだほうの通路を見た。通路は真っ直ぐ伸びているが、先は暗くてよく見えない。後ろを振り向いてみると、反対側は上の階同様、行き止まりになっていた。悟と裕二は暗いほうへとどんどん歩いて行っている。

「慶一、行こうか……」

「うん……」

正哉と慶一は少し小走りで悟と裕二に追いついた。

「ねえ、悟?」

やっと追いついた正哉は、悟に問いかけた。
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