小児病棟
「ん? なんだ? 正哉」

「ほんとにここに霊安室があるのかな……」

恐る恐るたずねる正哉に、悟は涼しい顔をして言う。

「ほぼ間違いないな。なんか、それっぽい雰囲気がしてきた」

悟は、ますます意気揚揚とばかりに歩を進めた。廊下をさらに進んでいくと、やがて行き止まりになっていて、その正面に観音開きの大きな鉄の扉があった。冷たそうな、頑丈そうな、なにかよくないものが入っているかのような威圧感がある。


「これ! きっと霊安室だよ!」

悟は、その扉が視界に入った瞬間、大きく声をあげた。
< 77 / 241 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop