小児病棟
――とうとう来てしまったんだ……

正哉は、お腹の真ん中あたりがざわつく感じをおぼえた。体全体が、身ぶるいしている。できれば道に迷い、霊安室にたどり着けなければ一番よかったのだが、今更そんなことを言ったとて始まらない。

「こ……ここが霊安室か……悟、どうする? ……」

ここは最悪、怖がる自分を悟られないよう、精一杯つとめて自然にふるまった。

「決まってんだろ! 入るぞ!」

悟は、正哉にそう言うと、振り向いて観音開きのドアに近づき、取っ手に手をかけた。
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