小児病棟
「今日は俺の勝ちだね」
登校の道すがら、歩道を歩く正哉の隣で裕二(ゆうじ)が勝ち誇った。
裕二は一つ下の四年生、正哉とは同じ部屋の隣のベッドにいる。痩せていて背も小さく、いかにも病気をしているといった感じの男の子である。
二人は登校時に毎日見かける、いつも何かぶつぶつと呟きながら歩くおじさんとどこですれ違うかを予想しているのだ。
「くっそー! 昨日は遅かったのに今日は早えーなー!」
別になにか賭けているわけでもないのだが、それでも正哉は悔しさをあらわにした。
登校の道すがら、歩道を歩く正哉の隣で裕二(ゆうじ)が勝ち誇った。
裕二は一つ下の四年生、正哉とは同じ部屋の隣のベッドにいる。痩せていて背も小さく、いかにも病気をしているといった感じの男の子である。
二人は登校時に毎日見かける、いつも何かぶつぶつと呟きながら歩くおじさんとどこですれ違うかを予想しているのだ。
「くっそー! 昨日は遅かったのに今日は早えーなー!」
別になにか賭けているわけでもないのだが、それでも正哉は悔しさをあらわにした。