小児病棟
不治の病
「しっかし、ありゃあ本当に霊安室だったのかなー……」

悟は、頭の後ろに手を組み、歩きながら言った。そんな悟を見て先ほどまでの不安は晴れ、かなり余裕のできた正哉は

「うん、どうだったんだろうな……」

と、かなり余裕の表情で、いささか他人事のようにかえした。

「それで悟君、このあとはどうすんの?」


裕二が悟にたずねた。悟は、手に持っていたノートを開くと

「あそこが病院の端っこだったんだよなあ……もう、戻るしかねえかな……」

と、残念そうにつぶやいた。
< 82 / 241 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop