小児病棟
正哉は、壁に貼ってあるプレートから、そこが第八病棟であることを認識した。

「ここは、どんな病気の人たちが入院しているんだろう……」

正哉は、仲間を探すことも忘れ、ついつい病棟の中へと入っていく。すると

「こんにちは」

病棟の入口から少し入ったところで車椅子の男性が正哉に声をかけてきた。

年は三十歳ほど、メガネをかけていていかにも温和な表情の人だった。

「あ……こ…こんにちは…」

正哉は、少し照れながら挨拶をした。
< 89 / 241 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop