めぐりあわせ
新居に着くと佐川くんが出迎えてくれた。
響子は無言で中に入る。
佐川くんは、困った顔をしてついていく。
私は、二人に続いて中に入った。
ダイニングにテーブルと椅子があり、岳は椅子に座っていた。
響子は、岳の斜め前の椅子に座った。
響子の前に佐川くんが座った。
「じゃあ、私帰るね」
「じゃっ、俺も帰るわ」
と、岳も言った。
「愛ちゃん一緒にいて!」
響子が、私の手を握る。
「わかった」
私は、少し離れたソファに座った。
「岳もいてくれ」
佐川くんが言った。
「うん。わかった」
岳も、私の横に座った。
久々に見た岳に、少しドキドキした。
二人の話し合いは中々始まらず、沈黙が続き、5分が経過した。
佐川くんは、響子をずっと見つめていた。
響子は目を合わさずに、ずっと下を見ていた。