めぐりあわせ





新居に着くと佐川くんが出迎えてくれた。



響子は無言で中に入る。



佐川くんは、困った顔をしてついていく。



私は、二人に続いて中に入った。



ダイニングにテーブルと椅子があり、岳は椅子に座っていた。



響子は、岳の斜め前の椅子に座った。



響子の前に佐川くんが座った。



「じゃあ、私帰るね」



「じゃっ、俺も帰るわ」



と、岳も言った。



「愛ちゃん一緒にいて!」



響子が、私の手を握る。



「わかった」



私は、少し離れたソファに座った。



「岳もいてくれ」



佐川くんが言った。



「うん。わかった」



岳も、私の横に座った。



久々に見た岳に、少しドキドキした。



二人の話し合いは中々始まらず、沈黙が続き、5分が経過した。



佐川くんは、響子をずっと見つめていた。



響子は目を合わさずに、ずっと下を見ていた。





< 119 / 138 >

この作品をシェア

pagetop