めぐりあわせ
岳が自販機でスポーツドリンクを買ってくれた。
「はい、どうぞ」
「あっありがとう」
「結構歩いた?」
「30分ぐらいかな?いつも1時間ぐらい歩くの」
「俺もそれぐらいかな?」
岳は、疲れた顔は全くしていない。
寧ろ、爽やかすぎるぐらいの笑顔。
「あっ、やべぇ〜!俺さ、野球の試合あるんだ」
「まだ、やってるんだ!」
「いや、野球部の顧問をしててさ。監督は別にいるんだけど、コーチとしてね。で、練習試合があるんだ」
岳は、高校生の時野球部に所属していた。
結構強い高校で、県大会で準決勝まで勝ち進んでいた。
私も、よく応援に行ってたな。
「一緒に帰りたかったけど、今日は先に帰るわ」
「今日は、明るいから大丈夫です」
「だな。じゃあまたな!」
「うん。試合頑張ってね、コーチ!!」
「ありがとう」
岳は、先に走って帰って行った。
“さっ!私もゆっくり帰ろう”