めぐりあわせ
「はい。着きました」
「こんなところにあったんだね。名前だけは知ってたけど…旗田高校」
「そうなんだ。じゃあ、後ろの荷物だけだから、ちょっと行って来るな」
「うん」
岳は、両手に荷物を持って、校舎の中に入って行った。
人通りは少ないけど、部活をしているような声が聞こえてくる。
グラウンドとか体育館は見えないから、何の部活かは、わからない。
岳は、10分後ぐらいに女の人と出て来た。
少し、私よりも年上かな?って感じの人。
目が合って会釈した。
その人は、笑いながら肘で岳の腕を突ついていた。
岳は、片手で頭の後ろを掻いていた。
その後ろから、5人ぐらい制服を着た子たちが、岳に話しかけている。
皆、一斉にチラッとこちらを見て、会釈された。
岳と何か話している。
話しているというか、冷やかされているような…
岳は話をしながら、校門のところまで、見送りに行った。