めぐりあわせ
出発して10分、佐川くんと響子の新居らしきマンションが見えてきた。
私のマンションからも近く、歩いて15分ぐらいのところだった。
最寄り駅は、きっと同じだと思う。
「意外に近かったな」
「うん」
「カズに電話するわ」
「うん」
すると、佐川くんがマンションの入り口に出て来てくれた。
来客用の駐車場に車を停めて、佐川くんの案内で新居に向かった。
マンションの5階をエレベーターで上がった。
まだ、二人で住んでないと言っていたが、家具も揃っていて、新婚夫婦が住んでいる空気感があった。
リビングに通されるとすでに、高田くんと佐奈も到着していて、お鍋の準備も整っていた。
「さっ!皆揃ったから始めますか?!」
佐川くんの発声で皆座って、お鍋の火をつけた。
響子が、お鍋の準備をして、飲み物は佐川くんが用意してくれた。
この前の結婚式の二次会の打ち合わせでは、岳が来れなかったから、6人が揃うのは、すごく久しぶりだった。
いつも以上に盛り上がって、帰る時間になった。
高田くんと佐奈は、駅に行くので、岳が乗せて行くことになった。
駅に向かってから、私を家まで送ってくれるとのことで、助手席に座ることになった。