めぐりあわせ




佐川くんと響子に見送られながら、車が発進した。



駅には5分ぐらいで到着した。



車から降りて、高田くんと佐奈を見送った。



すると岳がふらつき、私の肩を持った。



「あっごめん」



「大丈夫?」



「あ…ああ」



「なんか、顔色悪いね」



「…」



「さっきのお鍋もあんまり食べてなかったもんね」



「…うん」



「熱でもある?」



何も考えずに岳の額に触れた。




「あっ、結構熱いね」



「そう?」



「運転できる?」




「うん。すぐに着くしね…」



「私、岳の家から歩いて帰れるし、大丈夫だから」



駅からすぐに岳のマンションに着いた。



私を車に乗せたまま、駐車場に車を停めた。



車を降りて、もう一度岳を見ると、ふらふらの状態で歩いている。



「部屋まで送ろうか?」



「…うん。助かる…」



「肩持ってもらっていいから」



「…うん」



岳は、私よりも15cm背が高い。



肩を持つのが丁度いいみたい。



マンションのエレベーターに乗った。



「何階?」



「…7階」



「しんどそうだね」



「…うん。ちょっと寒い…」



「風邪かな?」



「…そうかも…」



7階に到着した。






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