自由と首輪
プロローグ
「続いてCMの後は、先日メジャーデビューを果たした人気ロックバンドLotusの登場です」
大学生活も四年目に差し掛かり朝はいつもぎりぎり生活の私が珍しくテレビをつけてカフェオレをのみながら朝ごはんを食べているのはこれを見たかったから。
『Lotus』に出会ったのは私がまだ大学一年生の頃。
好きなバンドがメジャーデビューするのを見届けるのは嬉しくも少しさみしいようなそんな複雑な気持ちになる。
何より、
「おはようございます! 朝からこんなコテコテのバンドでごめんなさい。ボーカルのリュウです」
一番最初におちゃらけた自己紹介をして見せた赤茶色の髪の彼は、私の大切な人だから。
私たちはバンドマンとファンを越えた関係ではあったけれど恋人でも友達でもましてやセフレでもなかった。
『俺はお前を支配してみたい。お前は支配されることに満足する。だからだよ』
彼のその言葉は今でも忘れない。
「支配を失った私はやっぱり少しだけさみしさを感じていますよ」
呟いてみてもテレビの向こう側の彼には届かない。
彼を見る瞬間をあんなに楽しみにしていたのに、どうしてか悲しくなった私はそっとテレビを消して残りの朝ごはんをカフェオレで流し込んだ。
私は今でもあなたに捉えられています。
大学生活も四年目に差し掛かり朝はいつもぎりぎり生活の私が珍しくテレビをつけてカフェオレをのみながら朝ごはんを食べているのはこれを見たかったから。
『Lotus』に出会ったのは私がまだ大学一年生の頃。
好きなバンドがメジャーデビューするのを見届けるのは嬉しくも少しさみしいようなそんな複雑な気持ちになる。
何より、
「おはようございます! 朝からこんなコテコテのバンドでごめんなさい。ボーカルのリュウです」
一番最初におちゃらけた自己紹介をして見せた赤茶色の髪の彼は、私の大切な人だから。
私たちはバンドマンとファンを越えた関係ではあったけれど恋人でも友達でもましてやセフレでもなかった。
『俺はお前を支配してみたい。お前は支配されることに満足する。だからだよ』
彼のその言葉は今でも忘れない。
「支配を失った私はやっぱり少しだけさみしさを感じていますよ」
呟いてみてもテレビの向こう側の彼には届かない。
彼を見る瞬間をあんなに楽しみにしていたのに、どうしてか悲しくなった私はそっとテレビを消して残りの朝ごはんをカフェオレで流し込んだ。
私は今でもあなたに捉えられています。
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