天然無自覚と俺様くんの同居
「知ってるよ?だから言ってるんだよ!」
「俺の何を知ってるって言うのさ!」
羽柴くんは声をあげて叫んだ。
静かな教室に羽柴くんの声が響く。
「…羽柴くん…お姉さんを事故で無くしたみたいだね…」
その言葉で羽柴くんの表情が驚きに替わった。
「何でそれを」
「昌くんに聞いたの♪」
私は笑顔で答えた。そして話を続ける。
「羽柴くん…羽柴くんのねお姉さんは…好きな人…いや、大切な人を守ったの…」
「は?……何で…」
私は頷いた。
「だからね…羽柴くんのお姉さんはその人を守れて幸せだったと思うの…羽柴くんも幸せだったでしょ?大切な人と一緒にいて…」
羽柴くんは何にも言わず私を見つめる。
「羽柴くん…羽柴くんのお姉さんも羽柴くんの幸せを望んでるよ?」
私がそこまで言うと羽柴くんはゆっくりと口を開く。