呉服屋の若旦那に恋しました
番外編
「内緒の話」
私の両親の話をしたいと思います。
まず、私の家は呉服屋です。
京都でもかなり歴史のあるわりと有名な呉服屋らしいです。浅葱屋と言うと色んな友達のお母さん達が驚くので、最近そのことを知りました。
そして、私のお父さんはその浅葱屋の三代目主人。何やら若い時は着物王子だのなんだのもてはやされて、雑誌に載ったこともあったそうです。
私的にはちょっとよくわかりませんが、お父さんはわりとかっこいい方らしいです。私の友人である穂乃花が、よくお父さんに会いたがってお店に遊びにきます。
まあそんなことは置いといて、今問題なのはお母さんの方です。
お母さんは娘の私から見ても美人です。こういう女性になりたいと常々思っています。
でも元々ツッコミ気質なのか、喋るとちょっと残念です。
そんなお母さんに、一目惚れをしてしまった私の同級生がいます。
どうやら以前の授業参観で私のお母さんを見て、ビビっときてしまったらしいのです。
「浅葱、お前の母ちゃん今日本当に店にいるんやろな?」
「いるって言ってんじゃんていうかなんで勝手について来てるの」
ここら辺で私の自己紹介をすると、私は浅葱家の一人娘、浅葱雪花、小学5年生。小学生のわりに冷めているとよく言われます。いつからこんな性格になったかはわかりません。つい最近まではもっと子供らしい子供だったそうですが。
それで、今勝手について来てるのがお母さんに一目惚れしちゃった愚かな同級生、健太。