呉服屋の若旦那に恋しました



―――私は、整理のつかない気持ちを抱えたまま、走って帰宅した。

そして、手当たり次第に荷物をかばんに詰め込んで、家を出た。

五郎にバイバイしてから、私は、実家へ向かった。




くぅーんという寂しげな鳴き声が、夜の京都の町に響いた。





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