お姫様を捜す前に

「ふー…」


ため息を可愛らしくついて、今日も高校サボって伊織に奉仕してる東ちゃんだった。


「あら、伊織さま。お昼寝ですか」


「そうなんだよー…」


起きないんだ、と言うと。


「西」


小さく東ちゃんが呼び掛けた。


窓の桟からにこりと笑った西ちゃんは、ピョンッとジャンプ。



窓の桟から。



「あ」


まるでレスリングの選手みたいに鮮やかに飛んだ西ちゃんは、勢いよく伊織の腰に飛びげり。


「ふぐぁっ!?」


変な叫び声をあげて、伊織は起床。


シュタッと地に足を置いた西ちゃんは、にこりと微笑む。



…どちらが主人なんだろ…



「いったぁー…て、西かよ!」


腰をさすりながら怒鳴る伊織。

うん、痛いよねそりゃ。


「ひっで…寝てたのに俺ー」


「おはようございます、こちらお弁当です」


「反応なし!?」


東ちゃんの神経の太さに関心。
< 27 / 40 >

この作品をシェア

pagetop