お姫様を捜す前に
「ふー…」
ため息を可愛らしくついて、今日も高校サボって伊織に奉仕してる東ちゃんだった。
「あら、伊織さま。お昼寝ですか」
「そうなんだよー…」
起きないんだ、と言うと。
「西」
小さく東ちゃんが呼び掛けた。
窓の桟からにこりと笑った西ちゃんは、ピョンッとジャンプ。
窓の桟から。
「あ」
まるでレスリングの選手みたいに鮮やかに飛んだ西ちゃんは、勢いよく伊織の腰に飛びげり。
「ふぐぁっ!?」
変な叫び声をあげて、伊織は起床。
シュタッと地に足を置いた西ちゃんは、にこりと微笑む。
…どちらが主人なんだろ…
「いったぁー…て、西かよ!」
腰をさすりながら怒鳴る伊織。
うん、痛いよねそりゃ。
「ひっで…寝てたのに俺ー」
「おはようございます、こちらお弁当です」
「反応なし!?」
東ちゃんの神経の太さに関心。