お姫様を捜す前に
不安定、勃発

カヅくん×日常×非

◇◇◇


放課後。


私たちは一緒に帰宅し、一緒の場所に集まった。



黄色いアパートの一室。


ここはお日さまがよく当たってポカポカする。

今が夕方なのが勿体なく感じるくらい。


リビングの机で、4人でカリカリお勉強するにはちょうどいいところ。



それがここ、カヅくんの家。



「カヅくん…」


「ん?どうしたたまき?」


「わかんないよぉ…」


泣きたくなりながら数学のワークをカヅくんに押し付ける。


真面目にワークをすらすら解いていたカヅくんは、私が挫折した問題を読んでいる。

隣の伊織に関しては全くやっていない。

カヅくんの隣に座る少女は、『算数ドリル』を真剣にやっていた。


「たまき、ここはね?」


わかりやすく教えてくれるカヅくん。


「なるほど!カヅくん頭いいね〜」


「え?いや、伊織の方が頭いいよ」


「伊織…?このワークを一切やってないバカが?
…カヅくん、無理しなくてもいいよ?」


ペコッと伊織の頭を教科書で殴った。


伊織の前には真っ白のワークが広がっている。


さっきからこいつ、教科書パラパラ読んだりドラえもん書いたり、全く手をつけてない。
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