お姫様を捜す前に


「好きな所には行けないの?」


「まーね」


そしたら。


そしたら、将来の夢はどうするの?



伊織の未来は白龍のものじゃないでしょ?



おかしいと思う、けど…



それよりも。




「伊織、そこどこ?」




行きたい。


どうせなら、あなたと一緒の所に。



「たまき…言わないよ?」



「っ、な、なんで?」


「だってお前、ついてこようとすんだろーが」


み、見抜かれてた。


なんか恥ずかしいのは置いといて。


「だめ?」


「だーめ。たまきは自由なんだから、自分の意思で高校決めなさーい」


にこにこ笑いながら。


「そー思うだろ、歌月?…て、ありゃ」


「zz…」


カヅくんは机に突っ伏して就寝なさっていた。


「コイツにも言ってねーんだ、実は」


「えっ!?」


意外だった。

いつも一心同体の彼らが、別れようとしてることが。


「でもまあ、コイツにはバレてるだろーけど。

それでも自分の意思で決めるだろーから」


カヅくんはやや特殊な家庭だってことは知ってる。


だから、調べることは容易いんだろうなあ。
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