お姫様を捜す前に
捜索×日常×中学生
◇◇◇
キーンコーンと平凡なチャイムがなる。
やっと終わった午前の授業。
ふう…とため息をつき、空腹を思い出す。
「腹へったぁー」
間延びした声が後ろから聞こえた。
制服が驚くほど似合わない、見た目異人なイケメンは、教科書を丸めて机に八つ当たり。
「どんだけ腹減ってんの?」
「死ぬー、飢えるー。
早く来てよー」
ふて腐れたように、ある人物を待つ伊織。
「歌月はいいよねぇ。
お弁当持ちでさ」
鞄から青い包みに入れられたお弁当を取り出すと、羨ましそうに見つめられた、やらんぞ。
「伊織だって弁当だろーが」
「だって届けてもらわなきゃダメじゃん」
机に突っ伏す伊織。
春風に白髪が揺れて、眩しい。
「しょーがないでしょ?
伊織はこの村で一番偉いんだからさ」
頭上に可愛らしい声が降りかかる。
短い黒髪を春風に揺らしながら、お弁当を伊織の頭にコンッと乗っける。
キーンコーンと平凡なチャイムがなる。
やっと終わった午前の授業。
ふう…とため息をつき、空腹を思い出す。
「腹へったぁー」
間延びした声が後ろから聞こえた。
制服が驚くほど似合わない、見た目異人なイケメンは、教科書を丸めて机に八つ当たり。
「どんだけ腹減ってんの?」
「死ぬー、飢えるー。
早く来てよー」
ふて腐れたように、ある人物を待つ伊織。
「歌月はいいよねぇ。
お弁当持ちでさ」
鞄から青い包みに入れられたお弁当を取り出すと、羨ましそうに見つめられた、やらんぞ。
「伊織だって弁当だろーが」
「だって届けてもらわなきゃダメじゃん」
机に突っ伏す伊織。
春風に白髪が揺れて、眩しい。
「しょーがないでしょ?
伊織はこの村で一番偉いんだからさ」
頭上に可愛らしい声が降りかかる。
短い黒髪を春風に揺らしながら、お弁当を伊織の頭にコンッと乗っける。