お姫様を捜す前に
「たまきはエロいね?」
そう言ってニヤリ、微笑むと。
かぁああ…と顔を真っ赤にするたまき。
可愛いなあ、本当に。
そして花柄の包みに守られたお弁当をぎゅっと抱き締め、恥ずかしさを隠そうとする。
「か、カヅくんのいじわる…」
その反応が面白くてハハハ、と今度は声をあげて笑い、頭をポンポンと叩く。
「ごめんごめん」
「…もぉー…」
もうあまり怒ってないのか、目は笑ってた。
その時。
パリィンと、教室の窓ガラスが一枚割られた。
俺らが座ってる席は窓側の後ろで、割れたのが前の方。
派手な音と共にガラスが散る。
そこらへんにいた人たちは一目散に逃げた。
教室で響くキャーキャーと言う声に、無関係というように笑う俺ら。
だって、ねえ?
割れた理由が人が入るための出入り口を作るため、だもん。
おかしいよね。