ラブレター2
ドンっ!!と大きな音をたて、始まった花火。
目の前の出来事だから、とても、大きく映る。
鼓膜が破ける。とか考える暇もなく、止めど無く、響く音。
やはり、柳や大玉が好き。
僕と、同じ気持ちの人がいるらしく、それが上がると、
「た~まや~。」
と、叫ぶ者。
指笛まで鳴らす者もいて、馬鹿らしい。と思ったが、祭りだし。とも、思ってた。
掌に付いた砂を、ズボンで叩(はた)き、膝を抱え、終わらない花火を、見ていた。
「ねぇ、キスは?」
隣りの女の子に、聞いてみる。
笑って誤魔化され、再度、空を見上げた。
最後の一つが上がり、拍手が海へ、投げ掛けられる。
まだ、上がる気配を感じる人達は、数分間だけ、座っていたが、それを確認すると、立ち上がり、ゾロゾロと帰って行った。
「ねぇ。」
「ん?」
「キスして。」
「え~。」
冗談だと分かっていたが、そんなに…。と、腹を立てる。
「もういい。帰ろう。」
「怒ったの?」
何も言わないまま、歩き始めると、キスしよう?と、言われた。
一度、キスをして、もういい。と、また、呟く。
帰り道、足が痛い。と言うあいがいたにも関わらず、自分の家へ、足早に向かう。
「彼氏じゃないもんね!!コソコソしなきゃ、いけないもんね!!」
怒鳴っては、違うもん。と、返される言葉。
余計に、雰囲気が悪くなる。
何に、苛々しているかさえも、忘れてしまう。
お金は無い。
車も持ってない。
あいの、彼氏ではない。
あいの前では、何一つ誇れる物が無い。
今更ながら、それを話したところで、後の祭りだ。
混む。と予想されていたので、車は出さずに、無理言って、祭りに付き合ってもらったのに、あいの家の前に着き、
「じゃーね。」
と、言っていた。
「…ゴメン。」
「何?」
「ゴメン。」
「いいよ。彼氏じゃないし。付き合ってくれて、ありがと。じゃーね。」
「…違う。」
なかなか、家の中へ入らないあいが心配で、分かった。と言い、キスをし、悪かった。と、頭を撫でる。
彼氏の肩書きは、大きい。と気付く。
数日後、この間よりも、小さな祭りの後に、僕の友達と、あいと、いつもの場所で、小さな花火をした。
その日、笑うあいを見たら、やっぱり、この顔が、僕に幸せを教えてくれるもかな。って思うと、この間の事なんて、都合良く、僕は忘れてた。
目の前の出来事だから、とても、大きく映る。
鼓膜が破ける。とか考える暇もなく、止めど無く、響く音。
やはり、柳や大玉が好き。
僕と、同じ気持ちの人がいるらしく、それが上がると、
「た~まや~。」
と、叫ぶ者。
指笛まで鳴らす者もいて、馬鹿らしい。と思ったが、祭りだし。とも、思ってた。
掌に付いた砂を、ズボンで叩(はた)き、膝を抱え、終わらない花火を、見ていた。
「ねぇ、キスは?」
隣りの女の子に、聞いてみる。
笑って誤魔化され、再度、空を見上げた。
最後の一つが上がり、拍手が海へ、投げ掛けられる。
まだ、上がる気配を感じる人達は、数分間だけ、座っていたが、それを確認すると、立ち上がり、ゾロゾロと帰って行った。
「ねぇ。」
「ん?」
「キスして。」
「え~。」
冗談だと分かっていたが、そんなに…。と、腹を立てる。
「もういい。帰ろう。」
「怒ったの?」
何も言わないまま、歩き始めると、キスしよう?と、言われた。
一度、キスをして、もういい。と、また、呟く。
帰り道、足が痛い。と言うあいがいたにも関わらず、自分の家へ、足早に向かう。
「彼氏じゃないもんね!!コソコソしなきゃ、いけないもんね!!」
怒鳴っては、違うもん。と、返される言葉。
余計に、雰囲気が悪くなる。
何に、苛々しているかさえも、忘れてしまう。
お金は無い。
車も持ってない。
あいの、彼氏ではない。
あいの前では、何一つ誇れる物が無い。
今更ながら、それを話したところで、後の祭りだ。
混む。と予想されていたので、車は出さずに、無理言って、祭りに付き合ってもらったのに、あいの家の前に着き、
「じゃーね。」
と、言っていた。
「…ゴメン。」
「何?」
「ゴメン。」
「いいよ。彼氏じゃないし。付き合ってくれて、ありがと。じゃーね。」
「…違う。」
なかなか、家の中へ入らないあいが心配で、分かった。と言い、キスをし、悪かった。と、頭を撫でる。
彼氏の肩書きは、大きい。と気付く。
数日後、この間よりも、小さな祭りの後に、僕の友達と、あいと、いつもの場所で、小さな花火をした。
その日、笑うあいを見たら、やっぱり、この顔が、僕に幸せを教えてくれるもかな。って思うと、この間の事なんて、都合良く、僕は忘れてた。