ラブレター2
「マジで、汚いから。」

四畳半の…ホコリまみれの…ゴミだらけの…。

言い出すと、切りがない自分の部屋へ、あいを呼んだ。

来ていいの?と言っていたが、汚さに引くなよ。とだけ言った。

四畳半の部屋に、布団が敷いてあるのは、明らかに、おかしい。

別に変なことは、考えていない。

だけど、女の子が見たら、引くのだろうか。

そんな不安も抱きつつ、狭い部屋に男と女が二人いた。

自分から、汚い部屋へ、人を呼ぶのは初めてだったし、狭いのに、机やタンス等あるものだから、本当に、布団一枚分のスペースしかない。

妹は、僕の部屋の三倍の広さなのに。

座って。と言おうとしたが、座る所も無いのに。と思いつつも、

「座って。」

と、やっぱり言っていた。

外で、ベタベタしていたこともあったし、逆に今は、邪魔する人もいないし、ずっとキスだけをしていた。

変な事はしない。

「…………。」

子猫のようにじゃれ合っていると、気が付くと…。


あいと…


一つに、繋がっていた。


自分から、エッチをするなんて、初めてだったから、嫌われる。とか、言い表せれない不安が、僕を包んだ。

「ごめん。…しちゃった。」

と、先に口を開いたのは僕で、ううん。と悲しそうな顔をしたあいがいて、凄く、後悔した。

だけど、本当に気持ちを止めることができなかった。

人を好きになるって、こういうことなのか。って思った。

それでも、嫌われたくなくて、

「ちくしょー。浮気かよ。」

と、笑いながら、あいの顔を覗き込むと、

「じゃ、しなけりゃ良かったじゃん!!」

と、恥ずかしそうに、怒りながら、あいが話すから、少しだけ、ホッ。とした。

「ごめん。でも、あいと、エッチしたかった。」

と、横になっていたあいを、後ろから抱き締めた。

「うん。」

あいの顔は見えなかったが、うん。と言ってくれたあいが、愛しかった。

「じゃ、もう一回していい?」

と、意地悪をするかのように聞くと、

「ゆうくんのエッチ。」

なんて言われて…。





可愛い声、可愛い顔、可愛い仕草。

初めて、あいと一つになった、綺麗な土曜日。

幸せ。

全部、幸せだよ。
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