ラブレター2
プシュ!!っと音をたて、チュウハイを、僕の部屋で開ける。

「はい。」

と、乾杯の前のキスを、僕からする。

「かんぱ~い。」

ぶつかり合う缶々の後に、喉をたて、それを一口一口含む。

「さむ~い。ねっ?」

あいがそう漏らした後に、布団に潜り込む。

僕も、後を追うように潜り込む。

何故、今日は目の前の女の子が、こんなに可愛く見えるのかな?

「可愛い。」

そう言って、横になったあいの髪を、右手で撫で、左手は、膝を立て頭を支えている。

微笑んだあいが可愛くて、

「俺、少し酔ってるからかな。」

言い訳をしても、珍しく、あいから、僕を抱き締めてくれた。

滅多に甘えないあいだから、嬉しさに包まれて、強くあいを抱き締める。

「幸せ。」

今日は、何故いつも言えない事が言えるのだろう。

窓の外を見てみると、雪が風に拐われている。

明日には、積もるかなぁ。

「あいも幸せ。」

今日が終わらなければいいな。って、君も思ってくれてる?

僕は、サンタクロースはいると思う。

だって、こんなにも沢山の物をくれるんだから。

「好き。」

今日くらい、素直になってもいいよね?

厚い毛布の下で、僕らは一つになった。

何回も、何度も。

「さむ~い。」

と言う度に、どうしても体が寄り添うから、一つになってしまうよ。

「熱くしてあげようか?」

甘えているんだよ。

この我が儘、君だけの物なんだよ?

初めてのキスより、初めてのエッチより、君といる時が、一番ドキドキしている。

言葉にするのが下手な僕だから、態度でしか示せないけど、君は分かってくれてるよね?

途切れ途切れの声の中、君は泣いていた。

「泣かないで。」

と言って、強く打ち付ける体と体。

一度、それを止め、あいを抱き締めた。

「どうした?痛かった?」

「ん~ん。」

「…彼氏に悪かった?」

「ん~ん。」

「俺が…彼氏じゃないから?」

「ん~ん。」

次の言葉が思い浮かばず、沈黙の中、あいが口を開く。

「嬉しくて。」

僕の時間が止まった気がした。

泣きたくなるくらい、僕も嬉しかった。

「キスして。」

もう、君が求める物は全てあげる。

「好~き。」

何度もキスをして、

「ふにゅ~。」

とあいは疲れたのか、可愛い声を出し、目を閉じた。

一日早い、サンタクロースがくれた最高の送り物。

それにもう一度キスをして、僕も夢の中へ。
< 46 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop