恋愛*モノグラフィティ


私はずっと、彼だけを見てきた

他の人なんて眼中に映らないくらい


彼の周りには常に女の子がいて

話しかけることすらできなかった


ただ遠くから見てるだけ

私にできることは、ただそれだけだった


中学のとき、放課後に

返事はいらない、と書き添えた手紙を

こっそり下駄箱にいれてみた


もちろん返事が来ることはなかった

やっぱり、名前くらい

書いておけばよかったかな



ねぇ、碓井くん


返事はいらない、なんて

書いてしまったけれど


あの手紙の返事


今、聞かせてくれませんか?




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