恋愛*モノグラフィティ


俺はそっと橘を抱きしめた

抱きしめずにいられなかった

両親を過去に亡くしたうえに

ずっと受け続けてきたイジメ

橘の性格からして

誰かに弱音を吐いたり、相談したりできずに

一人で背負いこんできたに違いない



「……橘」


「うっ、碓井くん…?」


「これからはずっと

……俺が橘のそばにいるから

だから、…もう一人で抱え込むなよ?」


「碓井くんに…迷惑かけたくない…」


「俺には遠慮しなくていいから

つーか、迷惑だとか思わないから」


< 220 / 344 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop