恋愛*モノグラフィティ


「……………っ」



化粧を落とした素顔を見てみると

女の格好をしているけど

顔は確かに碓井くんだった



「ん、貴子?」


「…ごめん、紫音くん」


「俺の言ったこと、もう信じてくれた?」


「…うん」


「ならそれでいい」




なんで私

彼の話をちゃんと聞かずに

最初から疑っちゃったんだろう


紫音くんはヒドい事をする人じゃない

そう信じてたはずなのに……


女装した碓井くんと

べったりしていたとこを見た瞬間

私の中の何かが音を立てて崩れて

気がつくと……


彼の事を拒絶している自分がいた


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