恋愛*モノグラフィティ


俺の控え室はサッカー部の部室に当たり

偶然なのか、それとも奴があえて別にしたのか

市原の控え室と俺の控え室は校内の端と端

距離的にすれ違う事もないくらい遠い



「……よし、ここまできたら

ゴスロリを全うしてやんぜ…」


「よっしゃ!あいつの度肝抜いてやろーぜ!」


「とりあえず衣装の裾が確か長かったから

手直しでもしに行くかなー

本番で裾踏んでコケたら、シャレになんねーし」




と、意気込んで部室のドアを勢いよく開け

補佐担当の紫音と供に部室へと足を踏み入れる



ガチャッ―




「…………………………」



「なぁ~…春馬…?」


「なんだよ…これ……」




部室のドアを勢いよく開けたその先には



「ひっでーなおい………」




めちゃくちゃにされた化粧道具

ビリビリに引き裂かれた衣装が

部屋中に散らかっていた




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