恋愛*モノグラフィティ


紫音が控え室から居なくなり

室内が一気に静寂に包まれる


時間を刻む時計の針の音

隣の部屋から聞こえるわずかな声


周りは時が刻々と動いているのに

この場だけは時が止まったかのように

ただただ静まりかえっている



「……なんでこんな事したんだよ

勝負しろって言ってきたのはお前だろ」


「……自分自身が勝つため、ただそれだけ」


「お前さー…、こんなことしてまで勝ちてーの?」




正々堂々と勝負するなら別に俺も文句はない

どっちが勝っても負けても後悔はしない

まぁ…さすがに負けたくはねーけど



俺は橘を、…柚希を守る為なら何だってする

だから毎回断り続けてきた

この女装コンテストも出ることを決めた


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