Blood Lovers
「ねぇ、葵はタイプじゃないっけ。ああいうの」
“どうなの?”と、麻衣は興味津々。
「ち、違うよ」
「つまんないなぁ。
ま、その時は応援するから♪」
「だから違うって!
もう、わたしトイレ行くから麻衣戻りなよ」
「あの席に?
葵ひどーい」
そう言って麻衣は自分の席に戻って行った。
ふう。
親友だからって、言えない秘密もあるわけで。
桐斗くんには見透かされそうな気がして…
「おい」
「ひゃっ!
…き、桐斗さん」
いつの間にか背後にいる辺り、恐ろしい。
「勝手にふらついてんなよ。
自分の立場分かってんのか」
「勝手にって…トイレくらい別に一人でも」
「お前なぁ」
それに、桐斗さんの周りには人がいっぱいいて、話しかけられるわけない。
学校では初対面なわけだし、ヴァンパイアのことなんて言えないし。
無茶だよ…
「…何でもねぇ」
「え?」
「なるべく俺の視界にいるようにしろ。
じゃなきゃ守れねぇ」
「あ、うん、そっか…」
俺様…?