Blood Lovers
一歩しか踏み入れてないはずなのに、振り返った先には暗い林が続いていた。
「な、んで…?」
おかしい、おかしいよ!
だってさっきまで外は明るかった。
少しくらい光が漏れてもいいくらいなのに、出口は見当たらないし。
「ここは…どこ?」
「ココ、暗黒ノ森」
「…っ!」
突然耳元で声が聞こえた。
「オ前、良イ匂イスル」
冷たい何かがわたしの肩に触れた。
その瞬間、わたしは冷たい何かを振り払うように走りだした。
に、逃げなきゃ…っ!
本能が危険だって。
走っている間、周りから聞こえるざわめき声が追ってくる。
来ないで、お願いっ
ついて来ないで!