Blood Lovers
episode*02
「あぁ、やっと目が覚めましたか」
どこかで見たことのある顔…
「助かってよかったですね。
はい、紅茶です」
「あ、りがとうございます…」
「あれほどあの林に近付かないように警告したはずなのですが」
ああ、そうだ。
この人は確か、学園長だ…
でも、なんで?
「やはり導かれてしまうようですね。
貴女みたいな血の持ち主は」
「…“血”?」
「はい、そうです。
貴女は極上の甘い血の香りを漂わせていますよ、一ノ瀬 葵さん」
「あの、よく分からないのですが」
「覚えてないのですか…
貴女、襲われかけたのですよ」
“ヴァンパイア、に”
そう言って微笑む学園長の顔に、なんだか寒気がした。