Blood Lovers
「そんなの嫌だ…」
「うん。
だからね、これからキリトを君の護衛につけようと思って」
「は?聞いてねぇぞ!」
「キリトはヴァンパイアの中では上級だし、人間とヴァンパイアの区別もつくよ。
ヴァンパイアの中には人間のふりして近付く悪質なやつもいるからね」
「お前が言うなよ」
…ん?
あれ、キリトさんは学園長の甥だって。
「あはは、私は良いヴァンパイアだから良いのだよ」
「…えっ!?」
「あ、これは極秘ですよ?
ばらした時点でキリトに襲わせますから」
にっこりほほ笑む学園長のその笑顔が怖すぎる。
「まぁ、とりあえず明日からキリトは同じクラスに編入させます」
「は、はい」
「一ノ瀬さんは寮ですよね、確か。
キリトに送らせます」
「えと、ありがとうございますっ」
そんなこんなで、わたしの高校生活は初日から狂ってしまった。