Blood Lovers
「き、キリトさん…
わたし、助けてもらったみたいで」
「……………」
「ありがとうございます」
二つの赤い瞳に見つめられて、身体が動かなくなる。
「…あ、えと、キリトさん?」
「うるさい」
ゆっくり近付く顔は、暗闇でも分かるほど整っていて。
まさか、これって…
「あ…あの、」
「黙れよ」
「…ちょ、やめてくださ、いっ」
「……………」
「き、りと…さんっ…」
チクっと、首筋に小さな痛みが走る。
痛みからしびれる感覚が全身に広がっていく。
「あっ…」
力が抜けー…
“ただで済むと思ってんじゃねぇぞ”