もう、恋なんてしないなんて言わない

私はその日の夜、愛奈瀬に電話した。
「愛奈瀬？」
「うん。どうだった？」
「成功したのかしてないのか。よくわかんないけど、まあ成功かな？」
「え！やったじゃん！」
「うん。いろいろありがとう。」
「どういたしまして♪ 」
そう言って電話を切った。
愛奈瀬はやっぱり優しい。…ちょっと待って。この感じこの前と一緒だ。夏帆と一緒だ。どうしよう。また裏切られるかもしれない。ヤバい。どうしよう。
私は信用できなくなってしまった。あの愛奈瀬にすら。

月日がたった。私はバイトでレジをしていた。
「658円でーす。ちょうどもらいまーす。ありがとうございました―。」
「よし。相澤今日は終わりだ。お疲れ様。」
あっ、もうこんな時間か。私は更衣室へ行き着替えた。そして外へ出た。すると、バイトの先輩の藤城龍にあった。
「先輩さようなら。」
「あっ、凜華。一緒に帰ろう。」
「わかりました。」
藤城先輩はとても優しくてモデル体型でかっこよくて。みんなから尊敬される存在。私はそんな人とかえっていいのだろうか。ま、誘われたし、いいや！ラッキー！
「凜華は彼氏いるのか？」
えっ、何その率直な質問。
「いませんよ。1人で寂しいです。」
私はあのときの出来事を思い出して泣いてしまった。
「あっ、ごめんごめん！俺そんなつもりで聞いたんじゃないから。ごめん！」