続・危険なアイツと同居生活
……というのも、このような理由らしい。
なんとハルがミスターコンテストに出て歌を披露するらしい。
そのステージで、即席のバンドを組むということ。
芽衣がキーボードをして、ドラムはもういて。
なぜか蒼がベースをするらしくて。
「あっ……あたしがギター!?
てか、蒼がやればいいじゃん!」
あたしは叫んでいた。
「やだよ。
俺、ベースしたいもん。
それか唯ちゃんがベースする?」
わざとらしく笑う蒼。
あたしの脳裏に慎吾のベースを弾く姿が浮かんだ。
ギターよりも大きいベースを、指で激しく鳴らす慎吾。
慎吾は、ベースは文字通り基礎を作る。
ベースがダメだったら曲が狂うなんて言っていた。
そんなベース……
あたしが出来るはずない!
「蒼はベース、出来るの?」
そう聞くと、
「多分ね。
……下手にギターやって目立ったら駄目でしょ?」
あぁ、なるほどね。
何てったってあたしたちは引き立て役だから。
「大丈夫だって!
一ヶ月で完璧にしよっ」
蒼はすっかりノリノリだったが……
あたしは完全に固まっていた。
学祭、先行きが不安だ。