続・危険なアイツと同居生活
「唯!調子はどう?」
慎吾がにやにや笑っていた。
「芸術は爆弾だ!」
そう言って、床に置いてある蒼のギターをめちゃめちゃに鳴らす賢一。
「こら!それ高いんだからダメ!!」
蒼があたしのそばを離れて賢一を追いかけた。
こんな状況が約二時間。
蒼はあたしにつきっきりでギターの基本を教えてくれる。
……Fの練習なんて放り投げて。
あたしの指は全く動かず、拡げた指が裂けるように痛む。
右手でピッキングをするも、不協和音が響いたり音が途切れたりする。
予想以上にギターは難しい。
いつもこんなことをしているなんて、蒼は天才だ。