続・危険なアイツと同居生活
そんなわけで……
これから初めての合同練習。
あたしのギターの初披露だ。
だけど、披露出来るようなレベルに達してはおらず、ひたすら悪い予感だけがするのだった。
「さ、みんな揃ったし行こっ」
その声を合図に、あたしは蒼のギターを背中にかけた。
芽衣に言わせれば、蒼のギターを使うなんて贅沢なことらしい。
オークションに出したら、碧のギターとして想像も出来ないような高値で売れるって。
だけど、蒼はコレクションのようにギターを持っていて。
出し惜しみもせずあたしに貸してくれた。
当然のように。
「これ、ツアーの時に使っていたんだ。
唯ちゃんにはこれが使いやすいと思うよ」
そんな蒼の重みを背負って、あたしは歩き出す。
あたしも、もっと練習しないと。
蒼のギターに恥じないように。