続・危険なアイツと同居生活
「芽衣ちゃん。完璧!」
その言葉に、芽衣は頬を赤くして喜んだ。
「唯ちゃんは……
また練習しようね」
「うん……」
分かってる。
あたしが一番足を引っ張っていることを。
だけど、何だか悔しいよ。
頑張っても上手くなれないってのは。
「唯ちゃん、初めてなのに頑張ったね」
意外なその言葉に顔を上げた。
すると、蒼はいつものようにあたしを見て笑っていた。
その笑顔にホッとする。
「本番までに、絶対仕上げようね」
蒼は本当にあたしに優しい。
あたしは蒼の言葉に元気付けられ、前を向いて進むことが出来る。
あたし自身が未熟さを理解しているから。
だから、蒼は敢えて何も言わないのだろう。
ただ、寄り添って応援してくれる。
あたしの力の源は、蒼だ。
あれ?おかしいな。
そんなことを言っていたのは蒼のほうなのに。